(´・ω・` )週末は選挙と読書でした。
図書館から何冊か本を借りてきて、クッソ暑い部屋の中で黙々と読んだのが
「ニホンオオカミは消えたか?」宗像 充 (著)です。
ニホンオオカミとは?
ニホンオオカミとは、20世紀初頭まで日本に生息していた狼のことです。
1905年(明治38年)1月23日の捕獲を最後に、確実な生息情報が無く
一般的には絶滅したとされています。
しかし、その後も各地で目撃情報や生存情報が報告されています。
この本について
何年か前に「ニホンオオカミは生きている」西田 智 (著)を拝読してから
ニホンオオカミについて興味を持ち始め、ネットや図書で情報収集をしてきましたが
この本は、そういった情報を予め整理して提供してくれる謂わば
「ニホンオオカミへの入門書」のような内容になっています。
例えば、
タイリクオオカミの亜種なのか?別種なのか?
ニホンオオカミとヤマイヌは同じ生き物なのか?
撮影されたニホンオオカミ?秩父野犬と祖母野犬とは?
オオカミの再導入とは?
といった、ニホンオオカミを取り巻く状況から問題点まで
列挙されわかりやすく解説されています。
ニホンオオカミは生きているのだろうか?
本の中では、筆者が日本オオカミについて探求を重ねていくうち
あるタイミングでニホンオオカミらしい生き物を目撃して
「やはりニホンオオカミは生きている!」と確信を得る様が
描かれています。また、筆者以外にも数多くの人々が
生存を信じて、ニホンオオカミを探しています。
個人的には、ニホンオオカミに生き残っていてほしいと思いますが
確率はかなり低いのではないかなあと考えています。
他のオオカミと同じく、ニホンオオカミも少数の群れで行動する生き物だと考えられています。
多くのオオカミは、狩りも単独ではなくグループで行い、獲物を捕食しています。
そのような習性から、もしニホンオオカミが生存しているのであれば
単体ではなく一定数の群体でなければ、捕食者として機能しないのではないでしょうか。
しかし、ニホンオオカミの目撃情報の多くは単体との遭遇であり
複数のニホンオオカミを一度に目撃したという情報は、少ないようです。
となると、ニホンオオカミは単体で狩りを行う捕食者に進化したのか
或いは、たまたま斥候のニホンオオカミを目撃しただけで、見えない範囲に
他のニホンオオカミが潜んでいたのでしょうか…?
仮に、ニホンオオカミが単体で狩りを行う捕食者への進化を遂げた。
或いは、小規模グループで細々と生き残っていたとして、繁殖はどうなるでしょうか。
小規模グループ内で別グループの血を入れないで、近親交配によって繁殖した場合
劣性遺伝による先天性障害の発生も多くなり結果として種は滅ぶでしょう。
また、野犬や近似種との交配により純血のニホンオオカミではなく
雑種としてのニホンオオカミが生存している可能性についてですが
この本では、以下のように解説されています。
・ニホンオオカミと犬は繁殖期が異なる
・ニホンオオカミは犬を同種として見ないので自然交配の可能性は低い
つまり、ニホンオオカミは犬を別の生き物として見ているので、自分から繁殖する
相手として選ぶことはないということです。
但し、人為的にですがオオカミと犬を交配させた「オオカミ犬」は存在します。
明治の頃にはメス犬を山に放逐しオオカミと交配させることで、オオカミの血を引く
優秀な猟犬を作り出そうという猟師も居たそうです。
また、日本では村上和潔という人物がニホンオオカミの血を濃く受け継いだ「オオカミ犬」を
交配させることにより、ニホンオオカミでは無いですが限りなくニホンオオカミに近い
「オオカミ犬」を作り出そうとされたことがあります。
(画像を検索すると剥製が見つかりますが、かなりニホンオオカミに近い見た目です)
個人的には、純血のニホンオオカミが生存(種の保存が可能なレベルで)している可能性は
かなり低いのではないかと考えています。
但し、このニホンオオカミの血を引いた「オオカミ犬」であれば
まだ日本の何処かに生息しているのではないのかなぁ…。